抜けちゃった

せっかく今まで頑張ったのに
１日抜けちゃった

むなしいなぁ……。
てつさんむなしいよぉ。

でもね、てつさんはくじけないんだよ。
まいにちまいにち
おっきなやまをのぼるんだ。

よいしょ、よいしょ。

かくどは７２どくらい。
けっこうきついでしょ？
まいにちはきついんだよ。

よいしょ、よいしょ。

てつさんは１８さい。
ぎむきょういくはとっくにおわってる。
じんせいというなのあらなみにもまれて
まいにちをいきている。

よいしょ、よいしょ。

あまったれんなよ、はなたれこぞう。
たかが１８さいでじんせいかたんじゃねぇよ。
おとなりにすむ
みしまへいはちさんはそういいました

へいはちさん、でもね。
ぼくはもうじんせいにあきたんだ。
だってそうだろ？
まいにちまいにちおんなじやまをのぼって
おんなじふうけいをながめて
なにがたのしいんだい？

おい、はなたれ。
へいはちさんはいいました。

まいにちおんなじふうけいってことはありえねぇ。
まいにちちょっとずつ、かわってるんだよ。
まいにちまいにち
みちばたにさくはなもそう、おいしげるきぎもそう。
すべてはな、せいちょうしてるんだよ。
もしも、そういうふうにみえないんだとしたら。
それはおまえが、せいちょうしてないしょうこだよ。

てつさんはとりあえずへいはちさんをぶんなぐりました。

いってぇ、てつ！
なにしやがんだ！

ばかやろう！
たかだか５０ねんいきただけのちゅうねんが
じんせいかたんじゃねぇよ！

え？なんでそれをおまえにいわれるの？
へいはちさんはそういうかおをしてました。

ばかやろう！
あんたなんかもう、どうでもいいんだから！

てつさんにも、もはやいみがわかりませんでした

～１０ねんご～

てつさんは、少し成長しました。
うん、文面においても。

HEYハチさんは死にました。
自分の名前にショックを受けたようです。

結局のところ
若さって大事なんだな。

てつさんはそういう事にしておきました。

そして、てつさんは今でも山を登っています。
毎日毎日ちょっとずつ変わる風景を楽しみにしながら。
人生の荒波に揉まれてます。

HEYハチさん、今なら
今ならあんたが言いたかったことが良く分かるよ。

人生って、こういうことだろ？

あれから10年で
てつさんの登っていた山は
すっかり変わり果てていました。
山は削られ、木々は切り倒され
高層ビルが立ち並び
オフィス街と化したのです。

あれ？
なんだろう、涙が出てくるよ。
てつさん、男泣きです。

俺は
俺はこんなことのために生きていたんじゃない！

てつさんは決心しました

「美人の嫁を娶ってくれるわ」

～終～







ボケようか、本気で語ろうか迷った結果
すんごい中途半端になりましたｂ

多分、こんな風に中途半端な人生が良く似合う
それがてつさんでござい